まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

エリスのモデル

鴎外の遺品の中の刺繍用型板。鴎外の本名、森林太郎のイニシャル“R”“M”が飾りの中央に鎮座している。当時は、ハンカチなど身の回りの物に刺繍を施すのに用いたという。『舞姫』のヒロイン、エリスのモデルとなった女性から鴎外に贈られたものらしい。その型板の上部には、小さな円い穴がいくつか並んでいる。2000年4月、後からあけられたそれらの穴を繋ぐと、“W”“B”“A”“L”と読めることが判明。2010年11/19(金)放送のNHKハイビジョン「鴎外の恋人〜百二十年後の真実〜」の冒頭シーンである。不動産登記簿の記録からイニシャルの主は、アンナ・ベルタ・ルイーゼ・ヴィーゲルトであることを突き止めた労作。見応えがあった。1888(明治21)年、アンナはエリーゼ・ヴィーゲルトの偽名で一等船客として来日。「貧しい踊り子」などではなく、良家の子女であった。母親から「自分とアンナのいずれを選ぶのか」と迫られた林太郎は、やむなくアンナをドイツに帰してしまう。帰国後、アンナは別人と結婚。番組の最後には、アンナの孫へのインタビューもあった。たぶん、林太郎は、終生アンナを忘れられなかったのだろう。次女「杏奴(あんぬ)」、三男「類(るい)」の名は、アンナ・ルイーゼに因むとしか考えようがない。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『余震装置(ヨシンソウチ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:平成の大合併で半減。