まちゃつの徒然日記

まちゃつのブログです。はてなダイアリーから引っ越してきました。

潮汁

山から流れ出た大小様々な流れは、平地で合流し大きな川となり海へ注ぐ。同様に潮の引いた後の有明海の干潟にも、陸地から沖に向かって幾筋もの浅い流れが生じ合流しながら沖へと向かう。水深は10センチほどしかない。中高生の頃の夏休み。干潮になると、熊手を片手に漁協の鑑札を持って流れの中を歩いて沖へ向かう人達の姿が見える。まちゃつもその1人である。海岸近くでもそれなりに収穫はあるが、沖合いの方がもっと収穫が期待できるからだろう。途中、大きめの軽石にくっついた牡蠣を熊手でコツンとやる。中身を取り出し海水で洗い口に放り込む。得も言われぬうま味と塩味がミックス。潮干狩りを忘れて牡蠣探しに夢中になるほどの味である。浅蜊のいそうな所を掘ると、馬鹿貝の方がよけいに採取できることもある。鮨種の「あおやぎ」になる馬鹿貝は見つけても捨てる。地元では誰も食べない。中腰での作業を続けると腰が痛くなるが、海の中とて腰を下ろすところはない。今なら、折り畳み椅子を持参するだろうが、当時そんな洒落たものはない。帰宅したら、蒲団を敷いてその上に垂直に立ったまま膝を曲げず、手も着かず倒れ込みたいと言い合ったりする。それほど中腰での潮干狩りはつらい。その後、帰宅しバケツ一杯の浅蜊に泥を吐かせると、調味料無しの水だけで祖母が焚く。味噌も出汁も加えていない素朴な潮汁は、何杯お代わりしても飽きるということがない旨さだった。


それでは、本日のシャッフルクイズ。


『うどん餌や(ウドンエサヤ)』


今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:お浸しが美味しい。