♪悲しみに出会うたび
あの人を思い出す
こんな時そばにいて
肩を抱いてほしいと…
中村雅俊が歌う「ふれあい」である。
「『悲しみ』と『悲しさ』について述べよ」という問題が、30年ほど前、東京教育大学文学部の学生に出題されたと同大学出身のNさんから聞いた。聞いたというより「まちゃつ、分かる?」というような感じであり、試されている雰囲気。まちゃつは法学部出身だが、言葉には興味がある方である。思いつくままに答える。「『悲しみ』は、動詞『悲しむ』の連用形が名詞に転成したもの。『悲しさ』は、形容詞『悲しい』に名詞を示す接尾語の『さ』が付いたもので、『大きさ』『嬉しさ』の仲間。多分それだけでは不十分。言葉から受ける音感も答えなければいけないのかなぁ。『み』はイ段の音だから、暗く沈んだ感じを伴う。一方『さ』はア段の音だから、明るく開放的なイメージを与える。つまり、『悲しみ』の方がより深い『悲しい』気持ちを表し、癒されにくい感じがする。『悲しさ』の方は『悲しい』気持ちであっても、まだ救いがあるというか、多少の希望みたいなものが感じられる」と答えればいいのかな。Nさんから余裕の表情がなくなっている。真顔で「どうして文学部に進まなかったのか」と尋ねてくる。39年前、まちゃつが自分の心の声に従っていれば、文学部という選択しかなかっただろう。でも、状況が許さなかった。そう答えても、納得しかねる表情だったNさんは岡山県のK島出身である。元気にしているか。
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『名、持たん(ナモタン)』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:米国州名。