杉本苑子氏による現代語訳で味わう『枕草子』五十段。
「虫で心惹かれるのは鈴虫(今の松虫)、松虫(今の鈴虫)、機織り虫(今のきりぎりす)、きりぎりす(今のこおろぎ)、蝶。われからという名の海草につく小虫もおもしろい。
海人(あま)の刈る藻に住む虫のわれからと音(ね)をこそ泣かめ世をば恨みじ
という、『古今和歌集』の歌が思い出される。蜻蛉(かげろう)、蛍。それに蓑虫もとても哀れだ。この虫は鬼が産んだものだという。だから親に似て、恐ろしい心の持ち主だろうと誤解され、生みの親さえが逃げてしまう。しかし、さすがにかわいそうだとも思うのか、去りぎわに自分の蓑を着せ、『秋風が吹くころになったら迎えにくるぞ。まってろよ』と言いふくめてゆく。子の蓑虫は置いてけぼりにされたとも知らず、風の音が秋めいてくるのを聞くと、『ちちよ、ちちよ』とはかなげな声で鳴く。こんな伝説を耳にするにつけても、まことに哀れな虫だという気がしてくる」
「ちちよ、ちちよ」の正体は、カネタタキか?
奔放な息子の性も親譲り
それでは、本日のシャッフルクイズ。
『イオンのつり革(イオンノツリカワ)』
今度会ったら、答えを言ってね。
ヒント:手遅れ。